2004年5月8日(土)14:38

フィッシャー外相はEU憲法の国民投票に反対

ベルリン(AP)

ドイツのヨシュカ・フィッシャー外相と緑の党は、EU憲法の国民投票で依然意見が分かれている。土曜日ベルリンで開かれた緑の党の連邦州委員会において、欧州議員上位候補者のレベッカ・ハルンスとダーニエル・コーンベンディートがEU憲法を問う国民投票を求めたのに対して、フィッシャー外相は懐疑的な見解を示した。「私は国民投票についての楽観論に与しない」と外相は述べ、だが私は少数意見に甘んじると付け加えた。

フィッシャー外相はアイルランドの議長任期中にEU憲法の合意をはかるようあらためて要求した。現在の弱い機構制度では25ヶ国に拡大したEUの可能性を十分に生かすことはできない。憲法は欧州統合の成功に「不可欠」なのである、と緑の党所属の外相は主張した。

緑の党ニーダーザクセン州のハルムス議員団長はEU憲法の国民投票に関して、私は「そろそろ憲法条約に対し欧州市民の賛意を問う頃であると信ずる」と述べた。コーンベンディート候補も、欧州レベルの国民投票*)を行えばEU憲法についての議論がようやく始まる。これは個々の加盟国が机上の理論で憲法を阻止するのを避けるための最善の方策である、と強調した。

緑の党の連邦州委員会は欧州議会選挙に向けた決議を採択した。決議ではとりわけ、「私たちは、欧州レベルの国民投票で欧州市民にEU憲法を諮るべく闘う」と謳われている。アンゲーリカ・ベーア党首も同様の発言を行った。

原題:Fischer gegen Referendum zur EU-Verfassung

*)訳注:「欧州レベルの国民投票」ein europaeisches Referendum とは、個々の加盟国が個別に実施する国民投票ではなく、EU全体で行う批准投票を指す。コーンベンディート候補は、「EU市民の過半数、かつ加盟国の三分の二の賛成をもってEU憲法の発効」を認めるという考えを4月26日に提唱している。(同日のニュース「緑の党の欧州議員候補は全EUレベルの欧州憲法批准投票を主張」を参照。)  個々の国々の批准プロセスでEU憲法が阻止されぬよう、フランスのラファラン首相も欧州憲法の一斉批准を提案している。(5月7日)




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